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2007.08.10 [Fri] + kotomoの中の人 +
物理学者・湯川秀樹からのメッセージ 『核なき世界を』

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NHKスペシャル ラストメッセージ(全6集)
第2集「核なき世界を 物理学者・湯川秀樹」を見た。

湯川秀樹といえば、中間子論の提唱などで原子核・素粒子物理学の発展に大きな功績をあげ、1949年日本人として初めてノーベル賞を受賞したことで知られています。その一方で生涯を核兵器廃絶運動へ捧げ、執念ともいうべき一途さをもって、最期まで世の中へ核なき世界を訴え続けた人物でもあります。

なぜ研究一筋だった湯川が核兵器廃絶運動へ積極的に関わるようになったのか。
そこには湯川が最も尊敬する人物であり、友人として親交も深かったアルバート・アインシュタインの存在がありました。
アインシュタインは自分の研究が原爆開発に利用されたことを深く悔いており、
「(アインシュタインは)部屋にくるなり、私たち二人の手を固く握りしめて、涙をポロポロと流しながら、『自分が研究したことが原爆となって、罪もない日本人を殺すことになって、本当に申し訳ない』と言って泣いてました。(湯川の妻スミさん)」

後にアルバート・アインシュタインがイギリスの哲学者バートランド・ラッセルと共に核兵器廃絶・科学技術の平和利用を強く訴えて発した『ラッセル=アインシュタイン宣言』に、当時の第一級の科学者ら10人と共に湯川も共同宣言者として名前を連ねています。



■ 核抑止論×核の拡散×合理主義者たち

しかし、それらの思いとは裏腹に米ソを中心とする核兵器の開発合戦はどんどんの激しさを増していきます。
アメリカの物理学者Leo Szilard(レオ・シラード)は『How to Live with the Bomb and Survive (核兵器といかに共存するか)』の中で
「核兵器による威嚇は米ソの全面核戦争を避けるのに一定の役割を果たしてきたと思われる。核兵器がすでに存在している現実を認めたうえで、人類は核兵器と共存する方法を検討すべきである」という、いわゆる核抑止論を掲げます。

これに対して湯川は、一旦核抑止論を認めると、
   ・核保有国がより高性能な核兵器を競い合って開発していく『垂直の拡散』
  ・自らの国力を高めることを狙って核兵器を持とうとする国が次々と現れてくる
   『水平の拡散』
という二つの拡散が世界中で巻き起こり収集がつかなくなると反論しますが、多くの科学者たちは核抑止論を支持していきました。

1962年、ロンドンで開催されたパグウォッシュ会議で核保有国の科学者がその正当性ばかりを議論するのを見た湯川は、こんなコメントを残しています。

「ここに集まった学者の多くは、モラルの問題には無関心で、多くは才気ある合理的な思考にしか興味がないようである。そうなると、いきおい、核抑止論の技術的考察だけが議論になる。考え込んでいたら頭痛がひどくなってきた。はじめは我慢していたが、だんだん気分が悪くなる一方で、最後の2日間はホテルの部屋に引きこもって寝ていた」

1975年、日本で初めて開催されるパグウォッシュ会議を目前にして、前立腺ガンを煩い二度の大手術を受けた湯川は、医師の大反対を押し切り車椅子姿で開会式に参加します。そして開式のあいさつの中で改めて世界へ向けて強く核兵器廃絶を訴えたのでした。しかし、そのまま退席した湯川の替わりに議長を務めた朝永が、湯川・朝永宣言「核抑止を超えて」への署名を呼びかけても、米ソを中心に各国は自国の立場を主張し合ったまま、核抑止論支持の姿勢を崩さず、宣言に賛成する科学者はほとんどいなかったのです。


■ 科学者としての責任×核なき世界へ

そこで朝永は事前に湯川と相談していた通り、あるフィルムを上映することにしました。
それは、ある日本の物理学者が調査のためにと撮影していた、被爆直後の広島や長崎のありのままの姿を淡々と記録したものでした。

上映されたのは、編集されていない5時間に及ぶ生々しい映像でした。昼間の議論のあと、二晩にわたって上映されました。物理学が生み出した原爆によって深く傷つけられた人々。自分たちは科学者としての責任を果たしているのか。出席者は初めて見る被爆直後の惨状に言葉を失いました。

「見た人たちは、やはりすごいショックを受けていました。帰りのバスの中で感想を聞いたんですけど、やっぱりこれは、核兵器をなくさなくてはならないと初めて思い知ったようです。・・・それからのシンポジウムの議論はガラッっと変わっていきました。(澤田昭二氏:名古屋大学名誉教授・物理学)」

会議の最終日、核兵器の全廃を強く訴える湯川・朝永宣言に、ほとんどの参加者が署名をしたのです。

 *   *   *   *

とてもよくまとまっているドキュメンタリーでした。
(興味のある方は、日暮れて途遠しさんが丁寧に文字に起こしているのでチェックしてみてくださいな☆)

こうしてここで現在の世界情勢を振り返ってみると、まさに湯川氏が危惧していたように核の拡散が起こってしまっているのではないでしょうか。
今日、北朝鮮の核保有問題やテロ特措法の延長、日本国憲法第9条の改憲について等、改めて軍事や核兵器というものに対して、世界へ示すべき日本国としての態度や考え方を論ずる機会が増えているように感じます。興味を持っていろいろとチェックしているのですが、出演者たちの討論を見ているとどうしても気になることがあります。

ことばとは概念の一般化であり、コミュニケーションを図るための共通記号です。
しかしどんなにことばを尽くしても伝えきれないリアルなぬくもりや感情こそが、最も強く人々の胸を打つということは事実ですし、
また記号化されたことばたちは、その意味を軽く扱われやすくなることに注意をはらわなければなりません。
一方で、「議論をもって問題を扱おうとすれば、どうしたってものごとの本質を見失いやすくなる」ことなどまるで意に介さない様子で、平然とシュミレーションや損得計算のみを繰り返し、それを唯一無二の正しい結論だと主張する人々もいるわけです。
もちろん、思考し選択肢を模索していくためにことばは不可欠ですが、少なくともそのことを知っておくべき、心に留めておくべきではないのでしょうか?

残される人を思いながら苦しみぬいて静かに消えていった命は、
単なる死者の+1カウントなんかじゃない。
焼きただれた肌や手足を吹き飛ばされて泣くこどもたちの涙は、
ニュースが告げる被害の規模なんかじゃない。
軍事戦略や政治的・合理的判断は、
死にゆく家族を見捨てていかねばならない背中を後押ししてはくれない。
ましてや愛するもの全てを失った痛みを和らげてくれたりなんか、
絶対にしないのだから。


湯川を『理想主義者』だと揶揄し、自国の利益の追求ばかりを最優先していた
合理主義のカタマリだった科学者たち。

5時間のフィルムの中に、彼らは何を見たのか。
彼らの心を震わせ、突き動かしたものは何なのか。
彼らは自分の中の何に気づき、従っていったのだろうか。

あなたはどう思いますか?


人種や民族 国籍が異なろうと
問題の解決に戦争を用いてはならない
わたしたちは人類の一員であるあなたたちに訴える
人間としての良心にのみ従え
       ――― 『ラッセル=アインシュタイン宣言』より



すべての国 すべての人が納得できる核兵器全廃の方法が
必ずあるはずだし
必ずそうあらねばなりません
なぜならこれは人類が生き延びるために
わたしたち科学者だけではなく
核兵器の恐ろしさを知るすべての人の悲願であるからです
人類が本当に平和を願い
幸せに生きることを望むかぎり
道は必ず開けると信じます
     ――― 湯川秀樹:絶筆となった『平和への願い』より





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湯川博士の平和への願い

こんにちは。はじめまして。

私もこの番組を見て、
「すべての国 すべての人が納得できる核兵器全廃の方法が必ずあるはずだし・・・」
の言葉が石碑に刻まれていると思い、
京都へ探しに参りましたが、見つけられず、
勘違いだったのでしょうか・・・

日暮れて途遠しさんのサイトも拝見しましたが、
最後の方はフィルム切れだそうで、
記述がありませんでした。

私は、湯川博士のおっしゃる核廃絶の方法とは、
「すべての子供が素晴らしい力を持っていることを証明することだ」と思い、
昭和30年代にそれを証明した日本人がいたことを見つけ出し、
しかも、その人のドイツ留学の際の後見人は、かのアインシュタインだったのです!

すべての子供が素晴らしい能力を持っている証拠の映像も発見しました。
(昭和30年、東京体育館にて撮影)
http://www.youtube.com/watch?v=rx3v2hoATpw

しかし、ジャンルが限られているため、共感を得られる人が少なく、
もっと多くの人に理解されやすいジャンル(現在は、算数・数学)で証明するため、
URLのような活動をしております。
もしご興味ありましたら、よろしくお願いいたします。

2012/09/02 09:35 | Kazu [ 編集 ]


> Kazuさん

こんにちは。
「すべての国…」に関してざっとネットをさらいましたが
あくまでこのような言葉が残されている、ということのようですね。

素敵な動画リンクありがとうございます。
ベビーサインは知っていますが、算数を扱ったものがあるのは知りませんでした。
おもしろいですね。

わたしもこどもは無限の可能性を秘めていると思いますよ。

2012/09/05 11:27 | kotomo [ 編集 ]


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