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2017.07.07 [Fri] + Art/Design +
【特別展】没後50年記念「川端龍子 ー超ド級の日本画ー」展@山種美術館

山種美術館にて開催中の「川端龍子 ー超ド級の日本画ー」展にいってきました。


若くして挿絵画家として人気を獲得していた川端龍子(かわばたりゅうし)。洋画家を目指し渡米するも、ボストン美術館で見た《平時物語絵巻》に深く感銘を受け、帰国後は一転して日本画家の道へ進みます。しかし生み出されたのは、大胆な発想と迫力で観るものに訴えかけてくる作品たちーーー当時日本画の主流であった繊細で巧緻な画風とは程遠く、「会場芸術だ」と批判を受けました。しかし龍子はその言葉を逆手に取り、時代性を反映し、展覧会などの会場で鑑賞者に直に訴えかける「会場芸術」を自らの理念とし、生涯制作に励みます。


「近代日本画の異端児」「在野の巨人」などと呼ばれ、自らを龍の落とし子=「龍子」と名乗る人物による、鑑賞者に直に訴えかける「会場芸術」。となれば、さぞや豪胆でダイナミック、いまにも飲み込まれそうな迫力に満ちたものに違いないと身構えていたのですが、会場に足を踏み入れてみれば、感じたのは押し付けられんばかりに発せられるエネルギーではなく、その逆で、観るものを引きつけてやまない魅力でした。



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《龍巻》1933 大田区立龍子記念館


約3.5メートルにもなる大作。上に下にうねる波、まるでいまにも頭上を通り過ぎていくかのようにいきいきと描かれた生き物たち。見上げるほどのその絵の前に立つと、まるで水族館の巨大水槽を覗き込んでいるような錯覚を抱きます。この作品は、描いている最中に天地を逆にしてみたらどうだろうと思いつき、このように仕上がったものだそうで、感じる独特の浮遊感はそのように描かれた作品だからなのかもしれません。



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《夢》部分 1951 大田区立龍子記念館


ミイラと蛾という幻想的なモチーフ。
昭和25年、平泉の中尊寺金色堂に安置されていた藤原氏4代の遺体の学術調査が行われたと聞くや否や龍氏は現地取材を行い、この作品を完成させました。ミイラの姿はぼやけ、焦点はその周りを舞う美しい蛾たちへ。まるでそのミイラというさなぎから生まれた蛾なのか、その蛾はミイラという蛹からあらたに生まれた新しい生なのか、あるいはミイラの見る夢や生前の記憶なのか、はたまた色とりどりの蛾が舞うその幻想的な情景こそが白昼夢なのか。想像が掻き立てられます。



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《香炉峰》1939 大田区立龍子記念館


7メートルにもなる大画面から、はみ出すほどに描かれた飛行機。けれどその機体は半透明であり、背景の香炉峰が透けています。わざわざ偵察機に乗せてもらってまでこの絵を描いた龍子ですが、なぜこのような表現にいたったのか。いわく、「日本画の範囲において飛びつつある飛行機をどう、どこまで表現し得」るかが課題だったそうですが、いくら考えてもわかりませんでした。けれど気になってなんども戻ってきてしまう。この圧倒的な個性たるや。



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《百子図》1949 大田区立龍子記念館


第二次世界大戦後、「象を見たい」と東京のこどもたちがインドに手紙を送ったところ、象の「インディラ」がやってきた!港から上野動物園まで首に鈴をつけた象が歩いたというエピソードに触発されて描いたもの。こういう時事ネタにいちはやく反応して絵にするところはさすがです。カラフルで明るく、コミカルなタッチは挿絵画家をしていた経験が生かされているのでしょう。無邪気に触れ合うこどもたちと、インディラのよく見ればシュールな表情のコントラストもおもしろくて。


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《千里虎》1937 大田区立龍子記念館


息子の出征の際に制作されたもの。
虎のように力強く雄々しくあれ、でしょうか。あるいは1日に千里を駆ける虎のごとく、どんなに遠くにいても1日でも早く帰ってきてほしい、でしょうか。家族を大切にしてきた龍子が、戦地へ征く息子にむけてどんな願いやメッセージをこめてこの絵を描いたのかはわかりませんが、とても胸にせまるものがありました。はげしい筆の運びやにじみに、龍子の動揺や涙を重ねて見てしまったからかもしれません。結局、息子は戦地で命を落とします。



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《五鱗》部分 1939 山種美術館


幼少の頃、空を泳ぐ色とりどりの鯉のぼりに心を奪われ、職人の元に通いつめてその絵を絵描き続けたことが龍子の絵描きとしての原点だという話を聞いたことがあります。その後も鯉をモチーフにした作品も多く制作しており、本展でも何点か出ていますが、共通して感じたのはいきいきと描かれた瞳の良さ。これはぜひ近づいてみてほしいです。


龍子のおもしろいところは、そのタッチや描き方が作品ごとに変わっていくところかなと。ひとりの画家が描いたとなれば、多少なりとも共通点が見られるものですが、こと龍子に限っては、何も知らずこの展覧会をみたら、これらすべてたった一人の画家によって生み出された作品たちだとは気づかないと思います。

たしかに確固たる個性があるんだけれど、その個性はあらゆる方面で発揮されていて、「これこそが川端龍子だ!」と言い切れるものではなく。次の作品に目を移すたびに新たな驚きがある。不思議な魅力のある画家ですね。回っていてとても楽しい展覧会でした。



*すべての写真は、主催者の許可を得て撮影しております


 【特別展】没後50年記念「川端龍子 ー超ド級の日本画ー」
 会期: 2017年6月24日(土)~8月20日(日)
    *会期中、一部展示替えあり(前期: 6/24~7/23、後期: 7/25-8/20)
 会場: 山種美術館
 主催: 山種美術館、日本経済新聞社
 主催: 大田区立龍子記念館
 開館時間: 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
 休館日: 月曜日

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