オレンジのR+ //
2013.03.23 [Sat] + Days +
こわい夢ときつねの仔泣き

こわい夢はいくつかに分類できるだろう。ひとつは純粋な恐怖とか嫌悪とか、例えば幽霊に追いかけられるとか地獄絵図のような戦地に送りこまれるとかそういった類いの直接的な恐怖との対峙で、ひとつは重病に蝕まれるとか堪え難い苦痛を味わわされるとかややこしい人間関係に巻き込まれるとか、架空の世界の設定や状況から発せられる類いの、もうひとつは現在や過去の傷跡を二度三度と突いてなぞるそうなある種の切なさと現実味をおびた痛みとか。

ともかくこわい夢をみたのだ。なぜなら布団から這い出て喉の渇きをうるおしたあと、「こわい夢をみたなぁ」という感想とともに息をはいたのだから。これ以上にみた夢がこわいものだったと証明できることもそうそうないだろう。

たいていの夢がそうであるように、その夢もまた憶えているシーンにはむらがあった。いちばん憶えているのはクライマックスちかく、その「こわいもの」と対峙して『なんてこわくて哀しいのだろう』と思った場面だ。もっとも憶えている理由はその恐怖や哀しみの正体のせいではなく、わたし自身の反応が変わっていたからだ。

こどもの様にわんわんと声をあげてなくでもなく、大人らしくはらはらと泪を零すでもなく、しくしくとうな垂れるわけでもなく、わたしはそのときかすれたのどをかすかに震わせてくんくんと鳴らしていた。鼻をすする、とかではなく、文字どおり、くんくんと。
その響きがあまりに哀愁をさそい、我ながらなんて哀しく泣くのだろうと思った。……鳴く? いやまるでこれはきつねの仔が泣くような鳴き方ではないか。くんくん、ひんひん。そんなことを考えているうちに目が覚めた。

夢を思い返して不思議なのは、その獣じみた泣き方をしたのが猫でも犬でもなく、仔きつねだったこと。

はて、いままでにきつねがそんな風になくとこを見聞きしたことがあるだろうか。てぶくろを買いに。ごんぎつね。狐の嫁入り。ぱっと思いつくきつねの話を並べてみたものの、どの話にもそんなシーンはなかったように思う。他にはなんだっけ、なんだっけ、、

目覚ましがわりのシャワーを浴びてまだ濡れた髪のままグレープフルーツの皮を剥く頃にはきつねの話さがしはもうあきらめていて、夢の中とはいえあんなふうにこわい状況に陥ったときこどものように怯えて甘える自分もまだいるんだとおかしくなった。つまりは、ご機嫌だった。新たな発見はいつでもたのしい。煩わしい薄皮はフルーツナイフでそぎ落としてみずみずしい果実にかぶりつきながら、そういえば、と思いついた。

結局、わたしがみたこわい夢って3つのうちのどれだったんだろう。

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2013/03/25 00:07 | [ 編集 ]


> miyuさん

ありがとうございます!
稚拙な言葉綴りですが、楽しんでいただけたら幸いです。

2013/03/26 09:04 | kotomo [ 編集 ]


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