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2013.01.22 [Tue] + Art/Design +
エル・グレコ展@東京都美術館

エル・グレコ El Greco
1541-1614 | スペイン(ギリシャ) | マニエリスム


イタリア(ヴェネツィア・ローマ等)やスペインで活躍したマニエリスム最後にして最大の画家。出生はギリシャ クレタ島。そこでビザンティン様式を取得した後、イタリアに渡り約10年間、ティツィアーノなどのヴェネツィア派の色彩やミケランジェロの量体表現、パルミジャニーノなどマニエリスムの先駆者の作品から、引き伸ばされた人体比率を学ぶ。イタリア滞在時は報酬などでの金銭トラブルが絶えず、生活ができないほど貧しい暮らしを強いられた。1576年頃スペインへ渡り宮廷画家を志すが、エル・グレコ自身の独自性となり始めていた奇抜な構図と非現実的な色彩が、当時絶対的な権力者であったフェリペ二世の不興を招いた。その結果、宮廷画家への道は閉ざされるが、宗教関係者や知識人からは圧倒的な支持を得た。以後、逞しい肉体の表現から、人体の長身化が顕著になり、形態は流動性を帯びていった。

[Salvastyle.comより]



当時、エル・グレコはまず優れた肖像画家としてみなされていたという事実は少なからずわたしを驚かせた。
この展覧会はそんな彼の肖像画の紹介からはじまっていく。

エル・グレコの肖像画の特徴とは、描かれた人物の現在の似姿、つまり代用物として成立せしめた点にあるのだという。
肖像は目線を合わせること、身振り、そしてわれわれの目線の高さに配置されることにより確立される物理的・心理的距離の近さを通じて、観る者とコミュニケーションを交わし、実在の人物のようにそこに現れるのだ、と。


el_greco_paravicino.jpg
エル・グレコ 《修道士オルテンシオ・フェリス・パラビシーノの肖像》 1611


なるほど、通常の肖像画に比べて余分な背景スペースがカットされ、人物がぐっと前面にでてきている。
絵の前に立つと、まるで目の前にいるかのような親近感を覚える。

手が、ひざが、近いのだ。
こちらに目線をむけ、耳を傾けているのがよくわかる。

しかし、単にそれだけではない。
あたかもそこにいるかのように、ということはつまり鑑賞者の前にその人物が存在し、その人物は鑑賞者を見つめているということで……


el_greco_selfportrait.jpg
エル・グレコ 《芸術家の自画像》 1595


とても視線がやさしいのだ。
友を迎えるときとおなじようにこちらをじっと見つめ返してくれる。


それは《ディエゴ・デ・コバルービアスの肖像》の比較をみると明らかだ。


el_greco_immaculate_conceotion3.jpg
右 アロンソ ・サンチェス・コエーリョ 《ディエゴ・デ・コバルービアスの肖像》 1572-73
左 エル・グレコ 《ディエゴ・デ・コバルービアスの肖像》 1586-1600

(2点は並べて展示されています)


このエル・グレコの作品は、モデルであるディエゴの死後、アロンソ・サンチェス・コエーリョの作品を参考にして描いたもの。
エル・グレコは生前のディエゴに面識がなかったというが、どちらの人物により感情や息遣いを感じられるだろうか。

比較展示を前に立つと、いっそうエル・グレコの描く肖像画の魅力が見えてくる。


greco-covarrubios-and-coello-2.jpg


またエル・グレコは聖人や聖女ーー「見えるもの」だけでなく「見えないもの」たちさえ、日常から切り離すことなく描いていった。


el_greco_saint_paul.jpg
エル・グレコ 《聖パウロ》 1585

el_greco_saint_mary.jpg
エル・グレコ 《悔悛するマグダラのマリア》 1576


そのやさしく潤んだ瞳。
鑑賞者との近しい距離。


エル・グレコの肖像画でいちばん印象に残ったこと。



エル・グレコといえば、やはり宗教画だろう。

わたしのエル・グレコに対するイメージといえば、ステンドグラスとキャンドルの炎。
ゆらめく光と上昇する力と対流する空気の渦。


el_greco_disrobing.jpg
エル・グレコ 《聖衣剥奪》 1605

el_greco_annunciation1.jpg
エル・グレコ 《受胎告知》 1600

el_greco_shepherds.jpg
エル・グレコ 《羊飼いの礼拝》 1610


その赤、その青、その緑、その橙、その黄色。
そのうねりや脈動感。
引き伸ばされた身体表現。

宗教的情熱と深い精神性をたたえたエル・グレコの作品は宗教画に革命を起こし、没後もピカソをはじめとする画家たちに多大な影響を与えたという。


誰かが言った。
「エル・グレコの絵は見上げて観るものだ」と。


el_greco_immaculate_conceotion.jpg
エル・グレコ 《無原罪のお宿り》 1607-13


想像してみてほしい。

この祭壇画は実際には絵のすぐ上に天窓があり、そこから指す光は《無原罪のお宿り》の光の一部となり、精霊を表す鳩はこの自然の高原から飛んできたかのように見えるという。
足元に咲き誇るユリやバラもまた、この作品のすぐ下に本来置かれたであろう祭壇を飾る花であるかのごとく。
差し込む光とゆれるキャンドルの炎だけが照らす薄暗い教会の中、現実の環境と絵画芸術とが溶け合い、目の前に現れるふしぎな世界。


el_greco_architect5.jpg
※撮影は主催者の許可を得ています


音声ガイドでは、解説のバックにエル・グレコが生きた時代のイタリアやスペインの宗教音楽が流れていた。
《無原罪のお宿り》を前にして聴くクラウディオ・メールロのミサ曲の素晴らしさを忘れずに書き留めておこう。




関連リンク
 >> エル・グレコ展公式HP
 >> エル・グレコ展 - 朝日新聞デジタル:良きまとめ

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