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2012.08.13 [Mon] + Art/Design +
「来て、見て、感じて、驚いちゃって! おもしろびじゅつワンダーランド」展@サントリー美術館

わからないから近づきがたい。
近づけないからわからないまま。

知らなくてもとりあえず作品の前に立って「スキ・キライ」をいいやすい(見つけやすい)絵画に比べたら、ガラスのショーケースごしに眺める日本の古美術品に対して腰が引けてしまうのもわかる気がする。

まして、本来であればごく身近であるはずのものーーー屏風や漆工品、陶磁器など、日本人の暮らしの中で実際に使われていた「生活の中の美」だからこそ、日常の生活感からもっとも離れた場所で丁重に扱われている"ちぐはぐさ"がいっそう自分の興味を遠ざけてしまうのだろうか。

ならば「全くあたらしいアプローチをもってその"こころの距離感"を取っ払ってしまおう!」というのが今回のサントリー美術館側の展覧会の趣旨であり、どんな内容のものになるのかとわたしが開催を楽しみにしていた理由でもあった。はたしてルーヴル - DNPミュージアムラボ(LDML)※を運営する大日本印刷の協力のもとに挑んだ、デジタル技術とアナログ手法を駆使したさまざまな展示方法とは。


    *     *     *


先日、サントリー美術館《おもしろびじゅつブログ講座》後に特別内覧会におじゃましてきたので、実際に見たときの驚きをジャマしない程度にさっくり見所をご紹介していこうと思います。


exhibition_visualmsun.jpg

「来て、見て、感じて、驚いちゃって! おもしろびじゅつワンダーランド」
サントリー美術館 2012年8月8日(水)~9月2日(日)会期中無休
※中学生以下無料
会場内はすべて写真撮影OKです!
(ただし動画撮影や三脚の持ち込み・フラッシュの使用はNG)





■ 模様のプラネタリウム


IMG_0265c2.jpg
国宝 浮線綾螺鈿蒔絵手箱 一合
鎌倉時代 13世紀
サントリー美術館 蔵



この「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」は北条政子所用と伝えられる一品。箱表の螺鈿蒔絵のすばらしらしさはもちろん、ふたの裏側にも繊細な金蒔絵で30種類にも及ぶ草花の模様がほどこされているのですが、通常の展示ではまずその内部をみることはできません。

「じゃあ、思い切って小人になって箱の中から内部の装飾を見てもらおうじゃないか」、そんなアイディアを実現させたのがこちら。


IMG_0266b1.jpg


部屋にはいって思わずため息。本当にプラネタリウムみたいなの!
散りばめられた金粉は満天の星空を思わせ、そこに四季折々の草花たちが現れては消え、消えては現れ。
足をとめて見入ってしまいました。

ーーー「こんな見せ方があったんだ」!!


wander_sun.jpg
【参考】ふた裏の蒔絵図


実際の展示でもぜひ実物の箱とプラネタリウムを見比べてほしいのですが、この箱の前面は浮線綾文の螺鈿(らでん:主に漆器や帯などの伝統工芸に用いられる装飾技法のひとつ。貝殻の内側、虹色光沢を持った真珠層の部分を文様切り出し、漆地や木地の彫刻された表面にはめ込む手法)を均等に散りばめたシンプルなデザインとなっています。満遍なく撒かれた金の派手さはありますが、箱のラインは直線的で力強く、どちらかというと男性らしい印象です。

その一方。ふた裏には、梅・松・藤・桜・菊など数多くの四季の花々が細緻な線で描かれており、とても華やかで女性的なデザインとなっています。おそらくこの箱の蓋を開けたとき、その人物の目にはまずこの満開の花のブーケが飛び込んでくるんだろう。外から眺めていただけではわからない、その表と裏のデザインの印象のギャップやこそ、この作品の真の魅力なんじゃないかなと。

ちゃんとふた裏まで見なくちゃ(見せてくれなきゃ)もったいない!



■ 和ガラスの藍色のトンネル


サントリー美術館といえば、薩摩切子・江戸切子・エミール・ガレ等ガラス工芸のコレクション収集でも知られています。わたしももちろん大のファン!毎年この暑い時期になるとはじまる、サントリー美術館のガラス系の展示は夏の風物詩。だからきっと今回も和ガラスが出てくるだろうなと予想はしていたのですが、まさにどんぴしゃだったわけで・・・・・・。

もうたまらんっ!


wander_sun_3.jpg


刻々と白~藍へ変化してゆく光のトンネルのなかに、整然とならべられた和ガラスたち。
照明は上からと下から2箇所。それぞれが別のタイミングで変化していき、和ガラスたちに表情を与えます。


(でもなんで"藍色"にしたんだろ?)
(他の色はないの?)

ソボクなギモン。


wander_sun_4.jpg



ずらっとならぶ切子(カットガラス)は壮観。
よく見るとぜんぶ薩摩切子だー。。


 ははーん!これはきっと、もしかして・・・・・・」



    *     *     *



ところで、薩摩切子の特徴や江戸切子とのちがいって知ってる?

薩摩切子のいちばんの特徴といえば、削られた面に現れる「ぼかし」。そのむかし、透明なガラスの上に色ガラスを被せて作る「色被せガラス」の技術を持っているのは唯一薩摩藩だけでした。その色被せガラスの分厚い色ガラスの層をおおきくななめに削ると、色の層が下に行くほど薄くなり絶妙な「ぼかし」ができます。カッティングによるデザインとともにそのぼかしの妙を観て楽しむ、それが薩摩切子の魅力なのです。

江戸切子はというと、鑑賞的要素のつよい薩摩切子とは対照的に、実用性を重視した庶民のガラス。江戸の粋な文化を反映した模様と、透明なガラスが特徴です。やがて色被せガラスも使うようになりましたが、江戸切子の場合、色ガラスの層は薄くつくられています。そのため切り口にぼかしが出ることがなく、はっきりくっきりとした柄になります。


wander_sun_1.jpg


薩摩切子のぼかしの美しさを堪能していると、
じきにトンネル内は藍色の光で満ちていき
ぼかしの影もいっそう濃くなり・・・・・・


wander_sun_2.jpg



さてそれからどんな風に見えるとおもう?
ぜひその目で見てたしかめてみてね!

(写真だけでそれを伝えるのは無理です;)




■ 京都街中タッチパネル


wander_sun_5.jpg
洛中洛外図屏風(右隻)
六曲一双
伝土佐光高筆
江戸時代 17世紀後半
サントリー美術館 蔵



キターーー!! これぞLDMLの腕のみせどころ!といった感じじゃないでしょか。
洛中洛外図のデジタル屏風の展示コーナー。

見たい部分に触れると拡大表示され、かんたんな説明なども出ます。
いまやすっかりスマートデバイスに慣らされたわれわれにとって、これほどわかりやすいものはない!
(ていうかタッチするだけですから。ええ。)


wander_sun_7.jpg

「こちら、賀茂神社でござい~」


wander_sun_9.jpg
wander_sun_10.jpg

どこか愛嬌のある顔をした人々。ほんと見ててあきない。
かなりたのしい!!

やっぱりね、デジタル屏風の真ん前に立っていても、そこで図柄をみるのと拡大してみるのとじゃ全然ちがうの。意識して積極的に隅々までみてほしい作品です。
だって、せっかくの洛中洛外図をこんなにもズーム&高画質で見られる機会なんて、そうそうないんよ??

洛中洛外図
室町時代から江戸時代にかけて描かれた風俗画で、京都の市街(洛中)・郊外(洛外)を俯瞰して描いたもの。多くは狩野派の手になり、ほとんどは屏風絵である。美術史上の価値はもちろん、当時の都市や建築を知る史料であるとともに、武士や公家から庶民までの生活が細密に書き込まれており、貴重である。
洛中洛外図は多分に政治的な意図のもとに制作されたもので、御所、武家屋敷などが目立つように描かれる。また画面の構成にも定型化が見られる。春・夏・秋・冬の風物や行事を描き、祇園会の山鉾を書き込むものが多い。



屏風にせっかくなんで京の街並みを描いちゃいましたー!ノリだとって思ってた?
ざんねん、実はかなり精密で意図的な「当時の生活の地図」なんです。


参考までに、「洛中洛外図」にハマリかけているというきらきら星さんの記事をご紹介。

「洛中洛外図」は、”京都の肖像画”といわれる六曲一双の屏風です。基本的な構図は、洛中にある権力者の屋敷や人々の暮らし、洛中外の寺院や名所旧跡を地形に沿って描き、四季(右隻 春夏&左隻 秋冬)と、月次祭礼行事(扇毎に)を織り込んで、京の風俗を網羅するものです。(中略)

美術館ではなく”歴博”で開催ということからわかるように、洛中洛外図は、まず、歴史資料ー政治史、文化史、民族史、風俗史、経済史etcーとして読み解けます。
さらに、美術として見る、美術史として読み解くこともできる、という他面性が一番の魅力です。古文書を読むのと違って、なんせ”絵”ですから、ビジュアル的に素人でもわかりやすいし、どういう視点で切り取っても面白いんですね。

[きらきら星 - 「洛中洛外図屏風と風俗図」 国立歴史民俗博物館]



ね? おもしろそうでしょ?
地図好きさんも歴史好きさんもきっと好きだと思うな。

というかこの記事、むっちゃくわしくて、かなり内容が濃いです。
各時期によって描かれている内容を比較してみたり・・・・・・。あとでもう一回読み返そっと☆
そしてまた「おもしろびじゅつワンダーランド」展に行きたくなっちゃった。笑


以下のサイトでもデジタル洛中洛外図をみることができますよ☆
 洛中洛外図屏風(左隻) | 佛教大学図書館デジタルコレクション
 京焼でつくる洛中洛外図の世界 - ギャラリー洛中洛外:京焼で再現された洛中洛外図屏風


けどね、これだけは断言できる、
この「おもしろびじゅつワンダーランド」展の洛中洛外図がいちばん人物描写が絶妙でおもしろかわいい。笑

絶対にみておくべきかと!!



■ まだまだ他にも内容もりだくさん


さて、とりあえず事前にちょっと知識をいれておいた方がより楽しめるんじゃないかなぁと思ったものをざっと紹介してみました☆

他にも『マルの中のクール・デザイン「鍋島」』で my 鍋島をデザインできたり
(こちらはお子様にもおとなにもかなり人気らしく、列ができることもあるそうです)

wander_sun_11.jpg
wander_sun_12.jpg

『全身で影絵遊び』ができたりと

見 本
wander_sun_14.jpg

結 果
wander_sun_13.jpg


まさに「日本美術のテーマパーク」という言葉がぴったりでした!



    *     *     *



『ともすれば難しいと思われがちな日本の古美術について、さまざまなプログラムを通してその魅力を「体験」「体感」いただくことで、お客様に日本美術の魅力を「発見」してもらおう』ーーーそんなコンセプトに惹かれ、訪れるのを楽しみにしていた今回の特別内覧会。

実際に見て、感じて、驚いて、そして前よりほんの少し身近に感じられるようになったとき、気づいたことがあります。それは、日本の古美術品の数々に親しみを抱いたとき、それまでは「鑑賞対象」でしかなかったそのモノたちが、今度は自身が「媒介」となって、その向こうにいる人たちや日常や時代に結びつけてくれるということ。つながることができるということ。

時代はちがえど、おなじ文化に育ち、おなじ価値観に学んできた日本人同士、きっかけさえあればこころは時間を軽々と飛びこえて、おなじように共感したり感動したりできるんですよね。それこそが西洋や他文化美術にはできない、日本美術のつよみだと思います。「すすき野原から遠く富士を眺むれば侘び寂びを感じる」、これに尽きます(←これもプログラムのひとつ也)。

そんなきっかけを、デジタル × アナログからの新たなアプローチで。決して派手になりすぎず、もちろん作品本来の良さを消すことなく、上手に魅力が引き出されていました。またこういうプログラムを体験してみたいですね。こういう方法なら、お子さんが日本美術に触れる最適の機会となれるのでは、と思いました。なんせ中学生以下は無料だし。(大事なことなのできょーちょーしておきました)


とっても楽しかったです。




関連リンク
 >> 「来て、見て、感じて、驚いちゃって! おもしろびじゅつワンダーランド」 公式HP
 >> Louvre - DNP Museum Lab:ここ、めっちゃおもしろいですよ。ぜひ観覧予約をして「体験」「体感」してみてください
 >> 洛中洛外図 - wikipedia

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