オレンジのR+ //
2008.12.15 [Mon] + 伝統/異文化理解 +
芸妓と化粧(けわい)と女の美

「着物」や「色気」、「女の美」と聞いて、
芸妓や花魁を思い浮かべたひとも多いのでは?
そこで、そんな彼女たちの美しさの秘密に着目してみましたz


x 化粧

ところで、「化粧」には読み方が二通りあるってご存知?
【化粧(けしょう)】と【化粧(けわい)】です。

【けしょう】
「けしょう」とは『顔に施すもの』という意味。
部分的・限定的で、いわゆる現代でいう"メイク"に当たるもの。

【けわい】
「けわい」とは、『みだしなみ全般』という意味。
つまり『部分的なものではなく、身体全体の化粧(みだしなみ)』を指し、広義に用いられます。



sakuranchiaki.jpg
Sakuran. II by zemotion


芸妓さんが施しているのは【化粧(けわい)】になります。
以下に紹介するのは、芸妓さんがすっぴんから化粧していく様子を撮影したもの。

12分05秒という長尺ながら最後まで一糸みだれぬ緊張感に、
思わず見入ってしまいました。


素肌に一筆目を置いてから慣れた様子でサッサと塗り広げていく様子や、
ついにはまぶたのキワから唇の細かい縦皴まで塗り込まれた白一色の顔。
あまりにも自分の日常から掛け離れていて、ことばを失います。

しかし、色筆に持ち替えて少しずつパーツが書き足されてゆく内に
あることに気がつきました。


”そっか。
 これは無と再生なんだ。
 血の気が失せた無機物から再び血の通う人間へ。
 彩色は再生の象徴。
 すべての色に赤みが入っているのもそのためなんだ。”


まるで無となり中身を失った身体(から)に、
舞妓の魂が憑依したのかと見紛うほどの美しくみごとな変貌ぶり。
【化粧(けわい)】というより、崇高な宗教儀式を垣間見たような気がして
身震いしました。


Maiko or geisha putting on face make-up in Kyoto




x 化粧師(けわいし)とは

化粧、それは、
美しくなるためのもの…
心にするもの…
そして、一歩足を踏み出すためのもの…



映像を見ているうちに、
昔読んだ石ノ森章太郎の漫画『八百八町表裏 化粧師』が思い出されました。

■ 「忘れかけた美心(Bijin)を・・・」

今は使われなくなった美しい日本語、化粧師〈けわい〉・・・その意味は、頭の先からつま先まで女性を美しくすること・・・【人の内外面まで気[KE]を配[WAI]ること】。


大正時代、人の心を豊かに化粧(けわい)していく、評判に名高い天才化粧師がいました。
彼の手にかかればどんな女性も必ず美しくなり、笑顔になったという。
その秘密は、表面を飾り立てるだけの化粧をするのではなく、
余計なものをそぎ落としてその人本来の姿を引き出すという姿勢にありました。

結局いくら外面を繕っても、心の内や生き様は隠しようもなく表に現れてしまうものなんですよね。
この漫画のすばらしさは、化粧を施してもらった女性が、「化粧」からカをもらい、
心のみならず生き方にまで化粧を施していく決意するところにあると思います。

そんな変化や感情までもが豊かに描かれている名作なので、女性のみならず男性もぜひ読んでみてくださいね。

ちなみに02年に映画化もされているんだけど、
原作があまりにもおもしろすぎてイメージを壊されたくないので観てない・・・o


 >> 生き様こそ心の化粧─映画『化粧師 KEWAISHI』に教えられる
化粧(けわい)や化粧師(けわいし)に興味をもったならば、ぜひ一読をx
 >> 八百八町表裏化粧師 [eBook]

KEWAI160.jpg

売薬店・式亭正舗の若旦那・式亭小三馬は江戸の町で名だたる化粧師!小三馬の手にかかればみんな江戸一の美人になれる!「化粧とは外見だけ ほんとうの美しさは…本人の心がつくり出すものさ!!」



x 芸妓の装い

そして、【化粧(けわい)】の総仕上げともいうべき着物の着付け。
だらりと垂れた帯やおこぼ(履物)がとってもかわゆい (*′∇`)o


Maiko or geisha being dressed in kimono and other garments



芸妓さんの持ち物はどれもステキ!

d 花かんざし

舞妓さんの挿している華やかなかんざしを花かんざしといいます。これは月毎に変わり季節を感じさせる草花のものの他、祭の時などに挿す特別なものもあります。


syougatu.jpg

正月 稲穂
年初めなど特別な時につけます。


12manekikan.jpg

十二月 まねき
十二月の「まねき」とは、南座の顔見世の役者の看板のミニチュア。
お気に入りの役者さんのサインを入れてもらったりするそう。


07utiwakanzasi.jpg kanzasi08.jpg

右・七月 団扇 左・八月 薄
ちょっと変わったモチーフが繊細でステキo


d 着物

舞妓や若い芸妓は「裾引き」という、お引きずりの着物を着てお座敷に上がります。帯から下の裾までの部分を褄〔つま〕と呼び、外を歩いたりするときには必ず左手で持って歩きます。左手で褄を持つことで着物の合わせ目から男性の手が入りにくくなり、「芸は売っても体は売りません」という事を暗示しています。
また、花魁や花嫁のように右手ではなく、左手で着物の褄を取ることから、「左褄(ひだりづま)」と呼ばれることもあります。


「芸を売っても体は売りません」、ていいですねh



x 芸妓の世界

こちらでは、芸妓さんのお仕事ぶりに密着。
途中で16・17歳の少女たち(=舞妓さん)も登場します。


Geisha - Japan



「コンタクトは手紙のみ」とは少々驚きましたが、電話禁止の他にも有名なのは「ジーンズの着用禁止」「コンビニやバー、ファーストフード店への出入り禁止」等々。
数多存在する規律や秩序が重んじられるとても厳しい世界ですが、舞妓さんが「このお仕事だけはずっと昔から変わらないんです。」と話すシーンがとても印象的でした。

近年、「アイドル(偶像)」「タレント(才能)」ということばが本来の意味から一人歩きしてしまい、たんなる肩書きを表す安っぽいことばになってしまったけど、彼女たちが目指す『お座敷は夢の世界で、お客さんに夢を与えるのが仕事』『立ち居振る舞い、どれをとっても常に素晴らしいと賞賛されるものでなければならない』というプロ意識こそが本来求められている姿勢なのでは、と思います。
それに比べて世の中には自称アイドル自称タレントのなんて多いこと・・・w

以前から「早いうちに見ておいた方がいい」とは勧められていたのですが、
そろそろ一度きちんと宝塚ジェンヌや芸妓さんたちのパフォーマンスを観に行こうかな。
プロとして振る舞える女性とは、いつまでも美しく、同性から憧れや尊敬を抱かれる存在。
やっぱり最後のアイドルたるアイドルは聖子ちゃんだと思いますx
かっこよくてかわいい!!百恵ちゃんも!!(ノ><)ノミャー


関連リンク
 >> 芸妓 - Wikipedia:上の彼女たちは京都なので「芸子さん」。ここでは「芸妓さん」で統一表記。
 >> 舞妓さんと芸妓さんのわかりやすい違い
 >> 江戸の女性の化粧事情
 >> 日本文化いろは事典 - 舞妓・芸妓
 >> 化粧師 KEWAISHI [goo映画]
 >> 八百八町表裏化粧師 (1) (Shotaro world) (単行本)
 >> 八百八町表裏化粧師 (2) (Shotaro world) (単行本)
 >> 八百八町表裏化粧師 (3) (Shotaro world) (単行本)



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