オレンジのR+ //
2008.11.14 [Fri] + kotomoの中の人 +
陪審員制度がわかる映画『ニューオーリンズ・トライアル』

裁判員制度のはなしで思い出したんだけど、
裁判モノ好きさんや裁判員制度・陪審員制度に関心がある人に
ぜひオススメしたい映画があります。

ずばり、『ニューオーリンズ・トライアル』h


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【STORY】
ある朝、ニューオーリンズの証券会社で銃乱射事件が発生。犯人は11人を殺害し、5人に重傷を負わせたのち自殺を遂げた。
それから2年後、犯行に使われた銃の製造と販売責任をめぐり、犠牲者の未亡人のひとりが地元のベテラン弁護士ローア(ダスティン・ホフマン)とともに、銃器メーカーを提訴する。こうして銃規制に関する全米が注目する裁判が始まった。
絶対に勝たねばならない被告側の銃協会は、巨額の資本を背景に伝説の陪審員コンサルタント、フィッチ(ジーン・ハックマン)を雇う。フィッチは個人情報のハッキングなど手段を問わず、自身に有利な陪審員の選定、裏工作を進めていく。
その渦中で、暗躍を始めた9 番目の陪審員ニック・イースター(ジョン・キューザック)。巧みな演技で陪審員に選ばれた彼には、ある目的があったのだ。果たして、その目的とは何なのか?そして、原告・被告の双方に「陪審員売ります」のメモを送りつけた謎の女マーリー(レイチェル・ワイズ)の正体とは?



「この審判(トライアル)は――プライドの殴り合い。」



10年くらい前の話。ある有名陪審員コンサルタントの著書を読んで、陪審員コンサルタントなる存在を知り、その職の適性スキルについて非常につよい関心を抱いた私。
そんな私にとって、この作品は相当おもしろかった

裁判そのものや裁判における陪審員の重要性にスポットを当てた作品は数多くあれど、陪審員コンサルタントを取り上げた作品は、おそらくこれが初めてではないだろうか。
私みたいなマニアック人間は少数派で、おそらく多くの人にとって【陪審員コンサルタント】とは耳慣れない職業だろう。簡単にいえば、依頼人に有利になるような陪審員を選ぶためのアドバイザーである。

アメリカの場合(実際は州によって条件は異なる)、無作為に抽出された陪審員候補者の中から、裁判所での面接を経て陪審員が選ばれるのだが、その選ぶ過程において、原告側弁護人・被告側弁護人双方ともにその場に立ち合い、候補者に質問することができる。さらに拒否権まで与えられており、どちらか一方でも拒否すれば、その候補者が選ばれることはない。
最終的に陪審員は12名(+補欠3名)が選ばれるのだが、このときすばやく候補者たちのプロファイリングを行い、より依頼者にとって有利な人物を陪審員として採用すべく、弁護士らに助言や指示を与えるのが陪審員コンサルタントだ。

このような職業が存在すること自体おどろくかもしれないが、アメリカは人種のるつぼであり、バックグランドや宗教や価値観、日常の習慣にいたるまで実に多種多様である。したがって、どんな人物が陪審員を務めるかによって、裁判の展開は大きく変わってゆく。
たとえば今回の裁判にしろ、もしすべての陪審員が白人保守派層で100%構成されたら、結果は火を見るより明らかだろう(無論、実際にはそんなことは起こりえない)。かといって、自分たちにとって都合のいい人物以外をすべて拒否していたら、いつまでたっても裁判は始まらないだろう。

どこまでを良しとして、どの人物なら弁論で説得できそうか。12人の構成はどうすべきか。
候補者の家庭環境や履歴、態度・言動から自分たちの味方になり得る人物か直感的に判断し選別を行う陪審員コンサルタントという存在が、裁判の行方を左右しかねないものだということをある程度理解していただけただろうか。

ちなみに、映画ではプロファイリングのシーンで華々しく最新テクノロジーが登場するが、もちろんこれは誇張表現である。また映画に登場する【伝説の陪審コンサルタント】ことフィッチは悪い陪審員コンサルタントなのであって、陪審員が悪なのではないことをあえて強調しておく。笑

さて、この作品の原作であるジョン・グリシャムの『陪審評決』に目を向けてみると、原作では訴訟相手が【タバコ会社】だったものを、映像化にあたり、わざわざ【銃器メーカー】へ変更した事がわかる。これについてはダスティン・ホフマン自身が語っているように、「銃社会への挑戦」がこの映画作品のテーマの一つとなっているからだ。

今だかつて、一度たりとも敗れたことのない銃協会。それゆえ裁判で争うことをあきらめて泣き寝入りしている人も多く、もし彼らがこの裁判に負ければ、全米中で同様の訴訟の嵐が巻き起こるのは必至。だからこそ勝つためには手段を選ばないと息をまく銃協会や悪徳陪審員コンサルタントのフィッチ。
そして気になるニックやマーリーの存在。
はたして裁判の行方はどうなるのか―――?




・・・とさいごは映画の紹介文よろしくまとめてみた。笑

いままで陪審員を取り上げた作品といえば、まず思い浮かぶのが『十二人の怒れる男』だけど、この作品が陪審員の心の機微にスポットを当てているのに対して、『ニューオーリンズ・トライアル』では陪審員コンサルタントなる人物に着目し、ひたすら陪審員操作について描いています。

その分、ふつーの裁判サスペンスを期待して観た人には、レイチェル・ワイズの存在感が今ひとつだったり、ダスティン・ホフマンとジーン・ハックマンの対決シーンの量に物足りなさを覚えるかもしれないけれど、そこを差し引いても、テンポ良く進んでくスリリングな展開といい、とてもおもしろい作品だと思います。
私はすごく好きo

それに、日本の裁判員制度とアメリカの陪審員制度は仕組みが大きく異なるものの、裁判ごとに候補者が一般市民から無作為に選ばれる点など、性質としては他の国よりもアメリカにもっとも近いといわれているし、ド素人が人を裁くことについて考えるキッカケの一つにもなると思うよ。

もしこれから観る人がいたら、ぜひぜひトイレのシーンでにやっとしてみてねa



アメリカ合衆国憲法修正第2条

規律ある民兵は 自由な国家の安全にとって必要であり

国民が武器を所有し携帯する権利は 損なうことができない






関連リンク
 >> 『ニューオーリンズ・トライアル』 - [映画]All About
 >> ダスティン・ホフマン インタビュー [シネマトゥデイ]:「原作では、たばこ訴訟の話だったけれど、監督に『銃規制の話にして欲しい』と頼んだんだ」
 >> 陪審員制度がわかる映画「ニューオーリンズ・トライアル」
 >> 洋画04年NO14「ニューオーリンズ・トライアル」:映画評論家坂和章平紙の評論と新聞記事など。裁判員制度にも触れている。
 >> 映画の森てんこ森■読む映画試写会■映画レヴュー ニューオーリンズ・トライアル (2003)
この映画に関するすべてが詳しく書かれています。ネタばれアリ。
 >> ニューオーリンズ・トライアル - wikipedia

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