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2008.08.31 [Sun] + Art/Design +
コローの【光】と【souvenir:想い出】

初めて出会ったときの記憶――・・・。



才気あふれる画家たちの作品が壁一面に並んでいた。
そのひとつひとつの細部を見落とさない程度にゆっくりと進めていた足が、
ある画家の作品の前でピタリととまった。

それまでとは明らかに作品がまとう空気が違う。
憂いと繊細さとあいまいさを帯びた、まるで観る者を包み込むような、、
中でも一枚の絵画がわたしの心を奪っていった。


――こどもの頃から存在を知り、憧れつづけた画家がいる。
――『好きな画家』は多くいるけど、いまでもその三人は特別なんだ。


静寂ただようルーヴル美術館。
耳元でそう囁く声に、あらためて目の前の作品をみつめ直した。



corot_mortefontaine11.jpg
「モルトファンテーヌの想い出」
Souvenir de Mortefontaine (1864).
Musée du Louvre.


恥ずかしながら、その時はカミーユ・コローなる人物について何も知らなかった。
19世紀のフランスにおいて重要な画家で、後の印象派画家にも大きな影響を与えたことも、
この作品がコローの最高傑作と讃えられていることも、
その何とも言えぬ色合いが「コローの銀灰色」と呼ばれ、親しまれていることも、
描かれているのは、コローが生涯愛したヴィル=ダヴレーの森だということも。

何も分からないなりに、
なぜこんなにも心にひっかかるのかと考えた。
何かがわたしの心を捕らえて離さないのだ。




「あ」




大きく右足をひいて
一歩下がる。
そのまま続けて、二歩三歩、、。


なんてふしぎな情景なんだろう、と思った。
慕情さそう穏やかでにじむような世界に、光が見える。


それは、モネが描く光とも
フェルメールが描く光とも異なる、
コローだけの光。


捉えどころのない柔らかなタッチの中、
ところどころに描かれた生命の繊細な輝き。
その絶妙なコントラストは
まるでスポットライトに照らされているかの様にも思える程。

それは、通常の位置からでは気づきにくい、
"間"をとり向き合うことでより鮮明に引き立つ光。


初めて出会ったときから、
わたしにとってコローは『靄(もや)の画家』ではなく、『光の画家』だった。


そんな思い入れもあり、
『コロー 光と追憶の変奏曲』には単なる好きな画家の美術展というだけではなく、
副題に『光と追憶の変奏曲』とつけた意図は何か、非常に興味を持っていた。

レーシックの術後検診を受け、特に問題もなく視力2.0まで回復したのを確認すると
その足で上野に向かったのだ。



が。



なんかめちゃめちゃ混んでる
抜群の知名度を誇るわりに、実は日本では初となる「コロー」単独展覧会、
やはり大人気なんだなあと感心していたんだけど。

「はい、買ってきたよー」と手渡されたチケットを見て、
「わ、そっか、今日が最終日だったんだ!!」うっかりそのことを忘れていた私。

同じくまだ先まで開催されていると思っていただりんこくんは
「また来ようと思って、せっかくチケット4枚買っておいたのに、、」
「払い戻ししてもらおっか?」
「・・・ううん、コローは好きだからいい!これも記念だと思って取っておく。」



・・・コロー好きのえぇ子やのぅ ヨシヨシ(*´・ω・)ノ"(´・ω・`)シューン



しかし、最終日で日曜とくりゃ、激混みなのは必至。
まともにゆっくりと鑑賞できる環境ではなかったので、
全体をざっと眺めて出ようか、という話になり。

まあルーヴルで「ここはコローの間ですかい?」と思うほど
今回の展示を含むたくさんのコロー作品を堪能してきたので、それも良しとしませうxx

、、ってなわけで、
じゃあ最後にもう一度『モルトファンテーヌの想い出』を見てから帰ろうか、と
名画の前に戻ってきたときのこと。


彼「あ、ねえ見て見て。」
私「ん?」
彼「モルトファンテーヌの"想い出"って"souvenir"なんだね」
私「あ、ホントだ!なんだかとても素敵だねー、それは気付かなかったわあ」


【souvenir】・・・
もともと"souvenir"とは「お土産」「思い出」といった意味のフランス語です。
私たちは「おみやげ」という意味の英単語として慣れ親しんでいますが、
これも本来は「記念品」「形見」という意味になります。
つまり、【海外旅行のおみやげを買う】という文には"souvenir"が適切ですが
【会社帰りにおみやげとしてお寿司を買って行く】という文では用いません。

なんとなく"souvenir"というコトバが持つイメージが伝わったかなあ?


コローの作品はすなわち、記憶がもつ芸術的な可能性に関する力強い省察の生家のように思われる。コローは、彼の個人的な記憶力は「時に、自然そのものよりも役立った」と述べている。そして1850年代には、まさに1つの貝がジャンルと言うべき「想い出(スヴニール)」を生み出した。[...]「想い出(スヴニール)」の真のテーマは、感情の換気と造形的なリズムを通して、風景からえた視覚的かつ所動的な経験のおぼろげな思い出を描出することなのである。それゆえ必然的に、「想い出(スヴニール)」は、現実の経験の後にアトリエの中で描かれるものである。[...]
コロー 光と追憶の変奏曲ガイドブックより


晩年、コローはアトリエにこもり、記憶に残る美しい自然をキャンパスに描いていきます。
それこそが「想い出(スヴニール)」シリーズとも言うべき、多くの人々に愛されるコロー作品の真骨頂であり・・・





ね?
"souvenir"、と名づけたコローの想いが
なんとなく伝わってきませんか?





そしてそんなささいな発見にもハシャイでしまう、
こどもの様な私たちの喜びも。





伝わったら、うれしい。

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